SKELETONS IN THE CLOSET

>>> ハリウッドの映画制作者やゲームクリエイターが考える
Jホラーの特徴



説明されない恐怖

Jホラーには説明できない不思議な現象=怪異が次々に現れる。
呪いのビデオを見るとなぜ電話が鳴るのか?
怨霊は、なぜ無差別に人を襲うのか?
Jホラーはその問いには答えず、観客に「想像」を促す。

日本人は、平安の昔から理解できない現象をも理屈抜きに受け入れ、国家政策を考える上で
重要な要因を考えてきた。怨霊を恐れ、平安京遷都を行った桓武天皇や700年前の祟徳天皇
の怨念を鎮める宣命を読み上げ、富国強兵に邁進した明治天皇は、その代表的な例である。
怪異を重視し歴史をも変えてきた日本独特の世界観を見ていく。


湿気の中の恐怖

「リング」の井戸や「仄暗い水の底から」の給水タンク・・・
Jホラーには、生理的な嫌悪感を惹起させる「腐臭」「湿気」=「不快な恐怖」に満ち満ちている。
水の底には怨念が淀むとする考えは、夜毎、井戸を伝って地獄へ降りた平安の小野篁伝説に始まり、
百鬼夜行、江戸の四谷怪談など、枚挙に暇がない。幽霊画も、水を背景としたものが非常に多い。
まさに古代にまで遡る日本の伝統である。

水と幽霊の密接な関係から日本人の死生観を掘り下げる。


かそけき霊の姿

幽霊の外見もJホラーの魅力。白い服に長い髪、恐ろしい目など印象的なパーツとぼやけた全体像。
その不安定さが「怪物」として表現される西洋の霊と一線を画する。

「かそけき霊」の伝統は江戸中期、円山応挙の幽霊画や歌舞伎に登場する幽霊によって形成され発展した。
「仄暗い・・・」の少女などにつながっていく幽霊の外見の変貌を辿る。



不滅の怨霊

西洋のホラーは、Christinanity(キリスト教)の強い影響で、「勧善懲悪」の結末が多く、登場する霊(悪)は滅びる。

それに対し、Jホラーの霊は、西洋とは違い滅び去ることはない。
しかも霊は、「悪霊」ではなく「怨霊」であり、勧善懲悪を超えた存在で、
幽霊と人間は共存すべきもので倒すべき存在ではなかった。
逆に、早良親王・平将門・菅原道真など「怨霊」を神として祀ってきた。

日本人に流れる独自の宗教観を描く。



科学文明という怨霊

ビデオ・携帯・パソコンなどJホラーでは現代的なツールに霊が憑く。
行き過ぎた西洋科学文明への不安があると研究者は見ている。

小泉八雲が海外に紹介した「山川草木に魂が宿る」という考えが、ゴジラや水木しげるの妖怪漫画、
宮崎アニメに引き継がれ、米国でも多くの人に支持されてきた。

Jホラーに息づく日本人の自然観を浮き彫りにする。



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